似てる?
中学二年
「委員長、見てください!」
放課後の応接室。は嬉しそうな声で、雲雀に話しかける。
目を通していた書類を置き、ソファーに座っているを見る。
彼女はとても楽しそうに、箱をテーブルに置いた。どうも、ケーキのようだ。
雲雀は何が始まるのだろうか、とテーブルの方へ移動し、ソファに腰を下ろす。
「どう思いますか? 似てると思いませんか?」
が箱からとりだしたのは、1つのケーキ。それも黄色い鳥のデザインのケーキだ。
「似てるっていうのは、この子のこと?」
ケーキを見ながら、雲雀は、肩に乗っているヒバードを自分の指に乗せる。そして、そっとケーキの隣におろしてやる。
ヒバードはケーキの方へチョコチョコと歩いていき、ケーキを見ている。
ケーキも黄色い鳥だし、ヒバードも黄色い鳥だ。その点では似てると言えなくはない。
「今人気のキャラクターのケーキなんですけど、見つけた時に似てるって思って、思わず買っちゃいました」
楽しそうに言いながら、は、ヒバードを撫でている。と、同時に、雲雀の方を見て、意見というよりも、同意を求めている。
「とりあえず、休憩にするから、お茶の準備をしてくれる」
「はい!」
ケーキが目の前にあるのだから、食べないというわけにもいくまいと、休憩にすることにした。
まだ目を通すべき書類は多く残っているが、少しくらいいいだろう。
がパタパタと準備してる間に、ケーキとヒバードを見比べる。
「君に似てるらしいよ」
ヒバードは不思議そうにケーキを見ている。雲雀はその頭を撫でてやると気持ちよさそうな表情をする。
彼女が準備を終えたら、どう答えようかと思案する。同意しても、しなくても、彼女の反応は面白そうだ。
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